3囚人の問題 IMDパズルランド
ある国で、処刑されることになっている3人の囚人A,B,Cが、それぞれの独房に入っていました。
やがて、この国の王子が結婚するというので、3人のうち一人だけ恩赦にすることになりましたが、誰が釈放されるかは同じ確率で決定されました。
しかし、囚人は誰が恩赦になるかは知りません。
そこで、結果を知っている看守に囚人Aが次のように尋ねました。

「BとCのうちどちらが処刑されるのか教えてくれないか。
どちらかは必ず処刑されるのだから、それを知ったところで何も問題ないだろう?」

看守はAの言い分に納得して、「Bが処刑される」と答えました。

ところが、これを聞いた囚人Aは、何も知らなかったときは釈放される確率は3分の1だったけど、今は自分かCのどちらかが釈放されることになるので、釈放される確率は2分の1に増えたことになると考え喜びました。

Aの考えは正しいでしょうか。

※これは1966年にサーベロニの別荘で開かれた生物学会で話題になり、 本題の生物学の議論はそっちのけで、カンカンガクガクの議論がなされたという有名問題です。ネットで検索すると、条件付き確率に精通していないと理解できないような解説がしてあるようですが、下記のように考えると、モンティ・ホール問題と同じ考え方で解決できます。

 囚人AはドアAを、囚人BはドアBを、囚人CはドアCを開けて入ることになりました。これら3つのドアの1つは刑務所の外に通じており、他の2つは独房に戻る廊下に通じています。従って、ドアBかCの少なくとも1つは独房に通じていることになります。囚人AはドアAを開ける前に看守に尋ねました。
「BとCのうち独房に戻ることになるドアを1つ教えてくれないか。どちらかは必ず独房に通じているのだから、それを知ったところで何も問題ないだろう?」
看守はAの言い分に納得して、「ドアBは独房に通じている」と答えました。
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ここで、囚人Aが釈放される確率は看守が答える前よりも高くなっただろうか。そんなことはありません。上の状況はモンティ・ホール問題と同じ考え方を適用すると、看守が答える前と確率は同じで、釈放される確率は3分の1のままです。モンティ・ホール問題の「当たり」は3囚人の問題では「釈放」に相当します。