光る飛翔体      山椒魚
 「矢づちさん」を掲載したついでに、ある不思議な
体験というか不思議な現象のことを書いておきます。
 こう言えば山椒魚が誰だかわかりますね。 
 以後よろしく。
 いつ頃だったかよく覚えていないが、おそらく1987
〜1989年頃の夏、多分お盆休みの時だったと思う。千
葉県の千倉というところに3人で車2台に分乗して釣
に行った。朝早く行かないと釣れないというので、前
の晩は民宿に泊まり、早朝暗いうちに民宿を出て4時
30分〜5時頃に千倉の海岸に車を乗り入れた。とても
広い海岸で、そのずっと沖の方角に岩場が見えた。友
人は車を沖に向けた状態で止めた。左側の助手席にい
た私が空を見上げると、太陽はまだ昇ってなかったが
澄み切ってうっすらと青みがかっていた。そのときで
ある。上空の左斜め後ろから、左前方に向かって楕円
形の深紅色に光った物体が一直線に音もなく飛行して
いるではないか。光っていると言ってもぎらぎら光っ
ているのではなく、交通信号とかお月さんのような光
り方なのだ。全くの無音で、点滅もしていない。仰角
はおよそ45度ぐらい。高度はよくわからなかったが飛
行機が巡航速度で飛ぶときと同じぐらいかそれより低
かったと思う。大きさは月と同じぐらいに見えた。し
ばらく茫然として、釘付けになっていたのだが、それ
から我にかえり、運転席の友人に向かって、あわてふ
ためき、言葉にならぬ声をあげながら、ワーワー言っ
た。友人も助手席の方へ身を乗り出して、何事かと指
差している方角を見ようとするのだが、車内が狭い上
に(車種名は忘れたが、漫画のルパン3世が乗ってい
る車だそうだ)数本の釣竿が後ろの座席から運転席と
助手席の間に突き出ており、助手席の右側の足元には
釣道具なのか、撒き餌なのか大きな荷物が置いてあっ
て、なかなか見えるところまでは乗り出せない。そう
こうしているうちに、その光る物体は、はるか彼方の
雲の上に消えていった。この間確か30〜50秒ぐらいだ
ったと思う。今でも何だったのかさっぱりわからない。
 この話をすると、雲に船のライトが当たっていたん
だろうという人がいるが、雲ははるか彼方にあるだけ
で頭上周辺にはなかった。船のライトが雲に当たって
いるのは私も何回か見たことがあるし、東京都杉並区
では誰がどこでやっていたのか知らないが、暗くなっ
てきた頃、むらのない一様な状態の雲で空が覆われて
いるとき、もっと強力な、色のついたライトを使って
遊んでいるのも何度か見たことがある。しかしそんな
ものでは決してなかった。もっと鮮明で実際そこを飛
んでいる何かの物体としか見えなかった。
 それにしても一体なんだったんだろう。矢追さんの
番組に出てくるUFOなのだろうか、それともテレビ
でお馴染みの大槻教授がおっしゃる自然現象のプラズ
マなのだろうか。 不思議なことってあるもんだ。

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