新型肺炎報道の虚実
      2020年2月8日 辻 勝久   

 2020年2月8日
 連日のように新型肺炎の報道がトップニュースとなっていますが、未知のウイルスで致死率4%と言われれば恐怖を覚えるのも無理ありません。報道が大々的になされるようになったのもこれが原因です。季節性インフルエンザの致死率0.1%の実に40倍の危険度であるというわけです。ところがこれは大間違いで、実際は季節性インフルエンザと同程度であることが、客観的な事実から推測できます。致死率4%というこの数値は感染した人の4%が死亡するという意味ではありません。 この数値は武漢の入院患者数つまり、確定感染者数で死亡者数を割って算出されたものです。武漢の場合、後に示す事実から、医療崩壊が起きていたと考えられており、入院患者は重症者がほとんどでしょう。季節性インフルエンザの致死率は0.1%と言われていますが、この場合の「致死率」は、正確には「感染時致命確率」と呼ばれるもので、インフルエンザに罹らなければ死亡していないと考えられる死亡者数(超過概念という考え方で統計的に算出される死亡者数)を推定感染者数で割って算出します。その理由は、感染しても免疫力の強い人は発症しないし、発症しても免疫機能が健全な人は回復するので、病院に行かない人もたくさんいるからです。しかも病院に行って感染者と確定される人は感染者の一部であるから、入院患者数つまり、確定感染者数で死亡者数を割った数値と実際の感染者数で死亡者数を割った数値とでは、何倍も違ってくるのがふつうです。しかし、実際の感染者数は分かりませんので、季節性インフルエンザの場合、感染時致命確率を算出するときは、一般の人から年齢別に多くの血清サンプルをとって、感染率を調べ、それを人口に乗じることによって実際の感染者数に近い値、すなわち推定感染者数を求め、それを基に算出されます。武漢の場合は医療崩壊が起きて、実際の感染者数は入院患者数(確定感染者数)の数十倍になっているということが、後に記載する客観的な事実から推測できますが、これについては後述することにして、では武漢以外ではどうなのかというと、ネット上で見られる東京新聞の報道では、2月6日現在、中国政府発表によれば、武漢のある湖北省の感染者数は1万9665人、死亡者数は549人であるが、それ以外で感染者が多い浙江省、広東省、河南省、湖南省の感染者数はそれぞれ954人、944人、851人、711人、となっており、この内、死者が出たのは河南省の2人だけで、他はゼロになっています。しかも、これらの感染者数というのは確定感染者数です。季節性インフルエンザでは感染者1000人に1人が死亡することを考えれば、このデータだけみると季節性インフルエンザよりも感染時致命確率は低いことになります。 厚生労働省のウェブページによれば、インフルエンザの推定感染者数は日本で年間1千万人、死亡者はその0.1%で1万人(WHOの超過死亡概念に基づく)となっています。事の重大性を考えるときには人口比を考慮して考えることになります。1万人に驚かないなら人口が日本の10倍以上もある中国で10万人の死亡者が出ても驚くことはないでしょう。 しかし、その数は現在の、中国全土の新型肺炎による死亡者数の100倍なのです。 2年程前のアメリカのインフルエンザでは6万人余りの死者が出ており、同様に考えれば、それは現時点では新型肺炎の260倍の惨禍である。 因みに今年の日本のインフルエンザの感染者は昨年の同時期に比べて3分の1以下になっており、特に新型肺炎の報道が熱を帯びてきた頃から減少に転じ、さらに激減する勢いです。新型肺炎を恐れてマスクや手洗いをよくやるようになったからだろうという専門家の意見も多い。イリオモテヤマネコのような珍しい小さな山猫を恐れて用心していたので、虎に食われなかったというような人が数千人も出てくる可能性が高いのです。だからここで、この問題について真実を詳細に語ることは世のためにならないかもしれないが、誤解を与えたままというのも考えものだ。
 さて、ここで、武漢だけ致死率が4%と突出しているのが何故なのか考えてみましょう。武漢のある湖北省以外の地域に比べて数十倍の値になっていますが、その理由を専門家は、武漢で医療崩壊が起きていると推測しています。1つの市で万単位で感染者が出れば医療崩壊になるのは当然で、もし、そうでなければ、その市の医療従事者は、今まで、ほとんど仕事をしないで給料だけは貰っていたということになります。肺炎を患って病院に行ったとき、医療が機能していれば、対症療法で治療してもらっている間に、ほとんどの場合、体の免疫システムが防御体制を整え、ウイルスを消滅させるのであるが、武漢のように医療崩壊が起きていれば十分な医療を施してもらえず、それどころか、多くの人々が病院に押し寄せている状況を報道するテレビの映像から推測できるように、もしかしたら新型肺炎かもしれないと心配して来ているのに、病院の廊下ですし詰め状態になって何時間も待たされている間に、正真正銘の新型肺炎ウイルスをもらって、何も対応してもらえないまま追い返される羽目になります。医療崩壊どころか、病院は新型肺炎の集団感染の場と化していた可能性が高い。市民も病院の状況が分かってきたので、重症でない限り、病院には行かないようになってきています。これはネット上にある武漢在住の人からの生々しい報告です。このような状況であるから、入院患者数、つまり確定感染者数は実際の感染者数よりはるかに少なくなります。従って、死亡者数をその確定感染者数で割って4%の致死率と言っても何の意味もありません。インフルエンザの危険性と比較するなら、新型肺炎も、同じ感染時致命確率の概念を適用した推定感染者数を基に比較するべきなのです。ネット上にある東京新聞の記事には、武漢のある湖北省以外の致死率0.17%を算出し、これが実態に近いのではないかという専門家の意見を掲載した後、これが季節性インフルエンザの致死率(正しくは感染時致命確率)の1.7倍の数値であることから、日本国内のインフルエンザの致死率の2倍程度と推論してあります。この記事は普段のテレビの報道よりは真実に近いが、0.17%という数値も死亡者数を確定感染者数で割って算出したものであるからインフルエンザの感染時致命確率0.1%とは比較できないのである。医療崩壊が起きていない地域の確定感染者数が推定感染者数の何割ほどかというのは、熱が出たとき何割の人が病院に行くかに左右されるが、前述したように、感染者が病院に行っても感染者であると確定されるとは限らない。感染していても少し熱があるだけというような人は、ちょっとした処置を施されて家に帰り、様子をみることになるが、免疫機能が健全な人はやがて症状も消えるだろう。もし、確定感染者数が推定感染者数の半分なら、上の数値から判断すれば、新型肺炎の危険度は季節性インフルエンザよりも低いことになる。
 ネット上にある共同通信社の記事に「武漢の感染者、実際は39倍?」という見出しで次のように書いてあります。****************************************************
 【北京共同】中国湖北省武漢市からチャーター機で日本へ帰国した邦人の新型コロナウイルス感染率が高いと、中国で驚きの声が上がっている。中国当局が発表した同市の感染者の割合に比べ「39倍も高い」というのだ。現地は医療現場が混乱しているため、実際には発表よりかなり多くの感染者がいる可能性がある。 日本政府はチャーター機計3便を武漢市に派遣し、邦人565人が帰国した。厚生労働省によると、チャーター機に乗っていた感染者は、症状のない人も含め計8人。感染率は1.416%だ。 一方、1月31日現在、武漢市の感染者数は3215人で、感染率は0.036%にとどまった。****************************************************
チャーター便での帰国者を季節性インフルエンザの推定感染者数を求める際に使われる血清サンプルに見立てれば、武漢での推定感染者数が推測できることになります。この記事が掲載された後、邦人565人の中からさらに1人の感染者が見つかったので、感染率は上記の1.416%ではなく、1.592%となって、39倍のところは44倍になるが、そうすると推定感染者数は確定感染者数の44倍となり、致死率4%のところは感染時致命確率0.1%程となって、インフルエンザの0.1%と同じぐらいということになる。上の記事から武漢市の人口を算出すると893万人だが、ネットで調べると1108万人となっている。さらに、武漢市は工業地帯なので、地方からの出稼ぎ労働者が多く、その人たちは市に登録していないから、実際には1800万人以上だというのが中国のネット上で言われている人口である。これに上の記事が掲載されたときの感染率1.592%を乗じると推定感染者数は約28万人となり、さらに感染時致命確率は下がることになるが、これでも日本の季節性インフルエンザの感染率の5分の1程度なのです。しかも、この武漢は現在、中国政府によって厳重に封鎖されています。これから感染率も死亡者数も変化していくと思いますが、いずれにしても、感染したときの危険度は季節性インフルエンザと同程度で、中国全土の感染率の方は日本の季節性インフルエンザとは比較にならない程小さいと考られます。しかも、中国では現在、厳戒態勢がとられていますので、インフルエンザを含めたウイルス感染の脅威は寧ろ日本の方が高いのではないかと思われます。
 また、「未知のウイルス」という言葉は不安を煽るが、新型肺炎ウイルスは分離できており、遺伝子も解明されていますので、今後ワクチンが開発されるかもしれません。 年間感染者数が日本で1千万人と言われる季節性インフルエンザウイルスも、最初は体にとっては未知のウイルスであったわけで、抗ウイルス薬を用いないでそれに耐えたために、ほとんどの人が免疫を獲得しているわけである。
テレビでは不気味なコロナウイルスの映像をよく目にしますが、風邪の10〜15%もコロナウイルスによるものです。
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追記 2月16日
上記を掲載して1週間ほど経った現在、ネットで見れる読売新聞の記事にも下記のようなものが出てきました。
2月14日付けの記事
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長崎大の迎寛むかえひろし教授(呼吸器内科)は「すでにある程度、ウイルスが市中に広がっている可能性を否定できない」と指摘しつつ、「季節性のインフルエンザと同程度の病気と考えられる。過度に怖がる必要はなく、手洗いなど通常の感染症対策の徹底を心がけてほしい」と話している。
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上のような記事が出始めても、今のところは、まだまだ「恐怖のウイルス」という捉え方をしたテレビ番組が人々の注意を喚起しているようだが、そのうち 「実は感染しても季節性インフルエンザと同程度だった」というのが新鮮味のある報道になっていくことでしょう。
追記 2月17日 
最近、テレビを見ていると、専門家が「インフルエンザと同じように予防すれば良い」と言うと、司会者が「インフルエンザの場合はタミフルなどの薬があるけど、新型肺炎はないから・・・」と呟いていました。そこで、抗ウイルス薬について様々なサイトを調べてみましたら、概ね下記のようなことが書いてあります。
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 抗ウイルス薬としてよく使われるタミフルは世界の消費量の80%が日本であると言われているくらい異常な消費量だが、発症後48時間以内でなければ効果がなく、発症後直ちに服用してもインフルエンザ症状の持続期間が半日〜1日くらい短くなるだけで、重症化を抑える効果があるのかどうかについては現在のところまだ結論が出ていない。高齢者や免疫不全の人、新型インフルエンザの場合は飲んだほうが有益。
※よく使用されるものにタミフルと同じタイプのリレンザという薬もよく使われており、効果や副作用が異なる。
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結局、基本的には風邪と同様、対症療法と免疫システムに頼っているというのが実情なのでしょう。医学の発展に期待したいところです。
追記 2月25日
日本でも新型肺炎による死者が出ていますが、今のところ高齢者だけです。70歳以上では免疫力が20歳の人の1割以下になると言われています。特に80歳以上の高齢者では免疫力が僅かしかありませんから、風邪やインフルエンザで高い致死率になります。私の周りでも、これを痛感させる出来事がありました。20年ほど前に、教えていた大学付属高校3年の女子生徒が、内部進学のために課外活動を課せられ、彼女は老人ホームでのボランティア活動を選びました。主な仕事は車椅子で老人を散歩させることでした。数日勤務した後、風邪かインフルエンザにかかり、熱が出たのですが、休んでは悪いと思って出勤していたところ、咳き込んでるのを施設の職員が見て、「若い人の風邪は強いから老人にうつるといけないので、治るまで休んだ方がいい」と言われたそうです。そういうわけで、治ってから行ってみると、既に数人にうつっており、その中の2人が亡くなったそうです。老人ホームの仕事を選ぶ心優しい女の子にとっては非常に衝撃的なことですから、どう言って慰めようかと苦心しました。この老人ホームのケースでは致死率数十%ということになります。 今回の新型肺炎騒動では、不眠不休で働く医師の免疫力も極端に弱まっていますから、中国では亡くなった医師も数人います。このように致死率というのは状況次第で大幅に異なってきますが、武漢の医療崩壊という特殊性を考慮せず、インフルエンザなどの致死率(正確には感染時致命確率)と単純に比較したことが、大々的な報道に繋がったという一因でもあります。防護服を着て働く武漢の医療現場の物々しい雰囲気や1千万都市である武漢の閉鎖という政府の強力な措置も人々に恐怖を抱かせたに違いありません。日本の1つの県で感染症が流行しても、封鎖という措置が迅速にとれるかどうかは疑問で、このような政府の強力な措置は中国が中央集権の政治体制であるからできたという側面もありますが、これは中国の人々が長い歴史の中で、疫病との戦いを幾度となく経験したことにも関係があると考えます。紀元前1300年の甲骨文字の中に既にその記述が見られ、近年では明末期の疫病大発生が王朝衰退の一因であると言われています。(このような強毒ウイルスのパンデミックについては日を改めて後述します)
 中国の都市では政府による強制的な措置だけではなく、住民も自発的に強力な疫病対策をとっているのです。下の写真は中国四大都市の1つである人口1300万の天津市の春節の状況です。天津市は新型肺炎の感染者は少なく、この時点では天津市のはずれの主に北京の方に近い地域で40人程の感染者が出たという情報があったようですが、日本では到底考えられないような状況になっていました。

天津市中心部の住宅街1 天津市中心部の住宅街2
古くから芸術が栄えた街の風情ある通り。例年の春節では肩と肩がぶつかるほどの賑わいを見せる通りも、この有様です。誰もいないので、マスクをしないで歩いていると、ひょっこりおじさんが出て来て、「マスクをしてください」と言われたそうです。

 このように中国の人々は得体の知れない疫病に対し鋭敏で、これを日本人が見ると過度に恐怖を駆り立てられ、マスコミの演出も手伝って大騒ぎに発展してしまいます。不気味な新型コロナウイルスの画像(と言っても鼻風邪のコロナウイルスと見た目は同じもの)とともに、何人もの人々が防護服を着て、まるで地球外から来た未知のウイルスに感染した人を治療しているかのような、武漢市にある病院内のSF映画みたいな映像を見せられたら大抵の人は恐怖を抱いてしまう。最近では学校が休校になったり、レジャー施設の休園、結婚式の延期などの社会現象を引き起こしています。

2020年4月10日 追記
 最近ではPCR検査の数が極端に少ないことが知れ渡り、単純に感染者数で死亡者数を割っても、インフルエンザなどの致死率とは比較できないことが一般の人々にも分かってきているようです。感染者数というのは単に、判明している感染者数であって、インフルエンザの推定感染者数とは異なります。
特に、日本の場合、これまでは重症者を対象にした検査と感染経路特定のための検査で判明している感染者ということになっており、インフルエンザの致死率計算に適用される感染時致命確率よりはかなり大きい値が算出されることになります。しかし、これでも諸外国と比べると最も低い値になっています。(判明した感染者数に対する死亡者数の割合は、諸外国では日本の数倍になっています) この原因は何でしょうか。少し考えてみましょう。
 3週間ほど前、都内の医師と話す機会があり、「この新型肺炎は季節性インフルエンザと同じぐらいでしょう?」と訊いたところ「インフルエンザより(致死率は)低い」とおっしゃっていました。(これは、この時のドイツの状況が判明感染者数6000人余りに対し、死亡者数が13人であることを踏まえたもの)
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 NHKのニュース番組に出演した京大の山中伸弥教授は下記のように述べています。
「日本だけじゃなくて、人類がこのウイルスに試されているといいますか、うまく対処すれば、やっつけることはできないですが、絶対うまく付き合える。きっと1年後2年後には、季節性のインフルエンザと同じくらいの付き合い、季節性インフルエンザよりちょっと、高齢者は気をつけた方がいいね、というくらいの状態に1年後にはもっていけると思いますので、いつまでも続くわけじゃない。」
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 このように新型肺炎に対する医師の感想や対策強化を訴える教授の発言を聞いても、それほど強毒性には思えないが、アメリカやイタリアなどの状況を見ていると、かなり深刻な感じがする。これはウイルスの型が違うのではないかと思っていたところ、 本日のMSNニュース(朝日新聞社提供)に下記のような記事が載っていました。
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 世界で検出された新型コロナウイルスを遺伝子型で分類すると、中国など東アジアに多い型や、欧米で多く見つかっている型など3タイプに分けられることがわかった。ウイルスはヒトなどの細胞内で増殖しながら絶えず変異しており、タイプを追跡することで、感染経路や流行の分析、ワクチンの開発につながる可能性がある。
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 医療崩壊が起きた中国の武漢以外の地域や日本、韓国の場合、確定感染者に対する死亡者の割合が低いことが分かってきました。中国の場合、無症状者を感染者としてカウントしてませんので、(ただし無症状者でも他者に感染させないよう隔離はなされています) 実際は武漢のある湖北省以外は日本と同程度に死亡者の割合が低いようです。 この原因として、欧米とアジアではコロナウイルスの型が異なるか、もしくは日本列島ができる以前から現代に至る間に、同じようなウイルスが出現した過去があって、免疫機能がそれに対応できるようになっているという可能性も考えられます。
4月17日
昨日、ノーベル医学生理学賞受賞者の本庶 教授がテレビに出演し、ヨーロッパ、アメリカで悲惨な状況が起きていることに触れ、日本の対策について提言なさっていました。1日あたりのPCR検査を増やして、感染者を特定することが重要であること、電車は危険であることなどを指摘なさっていましたが、正にそのとおりです。
これまで電車の危険性について語る専門家はテレビで見たことがありません。
「電車はどうなんですか」というようなスタッフの素朴な質問に「電車はさほど危険ではない」と言う人は何度か見たことがあります。おそらく電車を危険だと言ってしまえば、仕事も何もできなくなりどうしようもないと思ってのことだろう。
ある男性が「コロナをうつしてやる」と言って飲食店に行き、警察が駆け付けたという事件がありましたが、このとき感染させられた人は、この男性の接客をした人ではなく、男性が座っていたところに後で座った人であったということがビデオ分析で分かりました。(その後男性は死亡。持病があったようです)
電車の座席も危ないが吊り革も危険です。感染者がマスクを触った後、吊り革を掴むこともあるでしょうから。
そこで電車の消毒はどのくらいの頻度でやっているのか調べたところ、新型肺炎コロナ対策として日本では数日に1回ぐらいのようです。
●札幌市交通局  車両の検査周期及び運用に合わせて、概ね5日から6日に1回程度消毒を行う。
●特急ロマンスカー  90日に1回だった消毒周期を7〜10日おきに短縮している。

 しかし外国では電車が到着する度に消毒しているという記事もあるようです。


※今のところ、欧米の電車についての写真は見つけられません。
 
日本ではあまり対策がとられていないようです。せめて電車に乗った後は手を洗い、ズボンや上着を消毒しましょう。
 他に気になる点としては、毎日の買い物のとき、レジの様子を見てみると、客は間を空けて並ぶようになっているが、店員が一人の客の対応を済ませる都度にレジに置いてある消毒用アルコールで手を消毒することはない。投票所ではビニール手袋をして書くという気配りがなされているようだが、電車の消毒の問題同様、毎日の肝心な心配りがなされていない。
2020年4月24日 
新型肺炎は季節性インフルエンザと同程度と推測できる調査結果
 インフルエンザと同様の致死率計算つまり感染時致命確率が新型肺炎コロナウイルスでも算出される状況になってきました。単に致死率といった場合、確定感染者数が実際の感染者のどのくらいの割合であるかによって大きく違ってきますので、新型肺炎の強毒性をインフルエンザと比較できませんでしたが、遂にその調査を米国のスタンフォード大が行ったようです。
 下記の記事をご覧ください。
https://www.afpbb.com/articles/-/3279177
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【4月18日 AFP】米カリフォルニア州シリコンバレー(Silicon Valley)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の実際の感染者数は、公式集計の少なくとも50倍に上るとの予備調査結果が明らかになった。

 米スタンフォード大学(Stanford University)の研究者らはフェイスブック(Facebook)を使用して、サンタクララ(Santa Clara)郡からボランティア3300人を募集。住民から採取した血液サンプルでウイルス抗体を検査した。その結果、全人口の2.5%から4.1%が感染していることが推定されるという。これは確認された感染者数の50倍から85倍に当たる。
 17日にウェブサイト上に掲載された査読前の論文のプレプリント版で著者らは「われわれのデータが示唆しているのは、サンタクララ郡では(調査終了の3日前の)4月1日までに、4万8000人から8万1000人が感染していたということだ。同郡で4月1日時点に陽性と確認された感染者数は、956人だった」と指摘している。
 これによると、実際の致死率は0.2%未満となる。
 この研究の制約は、ヒスパニック系住民が多数を占める地域において白人女性が不釣り合いな比率を占めたことにあったため、調査チームは元のデータを調整して、地元の人口構成に対応させる必要があった。
血清学的検査として知られているこの検査では、皮膚プリックによって血液サンプルを採取。この検査がマーケットに投入されたのはごく最近にすぎない。
 いわゆる血清学的調査は、新型コロナウイルス感染症の実際の拡大規模と、今後感染する可能性のある人々の数を明らかにすべく、米国および世界各地でこれまでよりはるかに大きな規模で開始されている。(c)AFP
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 実際の感染者が50倍で致死率0.2%であるなら、85倍で0.11%ということになります。2017年〜2018年のアメリカのインフルエンザの例では感染者4500万人、死亡者6万1千人でしたから致死率は0.14%。今回の同大の調査が正しければ、結局この新型肺炎はインフルエンザと同程度ということになります。日本の場合はある程度症状の重い人や濃厚接触者に限ってPCR検査が行われていますので、実際の感染者は判明感染者数の50倍〜85倍よりも多いと思いますが、50倍としても、現在の累計感染者数12228人の50倍は611400人となり、これで累計死亡者数309人を割ると0.05%となって、季節性インフルエンザの致死率0.1%の半分ということになります。ただし、この新型肺炎は重症になると人工呼吸器が必要で、この機器の台数が先進国としては極端に少ない日本の場合、感染者が増えれば医療崩壊に繋がる可能性が高くなります。因みに現在、アメリカは20万台あり、これからも大増産する予定だが、日本には2万2千台しかありません。しかし、現時点では60%が使われずに待機している状態であるので、今のところは大丈夫のようです。このような疫学調査は純粋に研究目的でなされているかどうかが重要で、政府の要請で行われた場合は、実施するグループが日頃どのような主張をしているかに左右される傾向があると考えますが、アメリカで最初に行われた自発的で大規模なスタンフォード大の調査は信頼して良いだろうと思います。以上は致死率に関するものですが、クルーズ船の感染状況から判断して、感染力は強いように思われます。これは新型であるから人々が抗体を持っていないことも一因でしょうが、日本の季節性インフルエンザの推定感染者が年間1千万人であることを考えると、感染拡大を抑えるためには企業の活動や社会活動の制限を何か月にも渡って続ける必要がありますが、それではもっと深刻な状況に陥ることが容易に想像できます。世界大恐慌以来の最大の不況に見舞われ、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事が言うように、「ウイルスでなく、食べられずに死ぬ」という事態になる可能性が高くなります。
世界保健機関(WHO)の記者会見に中継で登場した
国際通貨基金(IMF)のトップ、ゲオルギエバ専務理事

従って、企業や店の活動自粛よりは、長続きする効果的な対策を考えるべきで、具体的には次のような対策も効果があると考えます。
●人工呼吸器を国内で大量に製造する。
●スーパーのレジでは一人の支払いが終わった後、店員は手をアルコール消毒する。現時点では店員が手を消毒している様子は見たことがないし、テレビでもそのことについては触れないようだが、これは重要なことです。その理由は子供でも分かりますね。感染者はマスクをしたまま咳やくしゃみをしてマスクを触ります。その手で商品を触り、その商品を店員は1つ1つ籠に入れているわけです。しかも何百人もの客の買い物を処理しているわけですから、店員自身は手袋をして大丈夫でも客にとっては濃厚接触者と同様に危険な存在です。最近、東京都知事がスーパーでの買い物は3日に1回にするよう要請していますが、食べる量は同じなので1回に並ぶ時間が長くなり、レジに並ぶ時間はさほど変わらないのではないだろうか。第一新鮮なものが食べられない。魚は3日に1回ということになる。(笑) 
●電車の消毒を徹底する。1週間に1度というのはおかしい。北京の感染対策を見習うべき。
●高齢者や持病のある人は特に注意する。
●消毒用エタノールを大量に生産する。最近、消毒用エタノールが薬局にありませんが、ウオッカがあります。アルコール濃度が80%近いものは消毒用のものと同じ効果があるらしい。90%以上のものはすぐに蒸発して殺菌効果が落ちますから薄めて使えばよい。焼酎も4回ほど蒸留するとアルコール度数60%以上のものが作れるようで、実際そのような商品もあります。酒造メーカーに協力してもらうのもいいと思います。
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2020年5月1日

数日前のニュース
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慶応義塾大学病院(東京都新宿区)は4月23日までに、新型コロナウイルス感染症以外の治療目的で来院した無症状の患者67人にPCR検査を行ったところ、4人(5.97%)が陽性者だったと公表した。4月13日から4月19日に行った術前および入院前PCR検査で明らかになったもの。同院は、「これらは院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性がある」とし、感染防止にむけて更なる対策を講じていく必要があると指摘している。
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同病院では今後も検査を続けるとのこと。
FNNプライムニュース
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感染症にくわしい久住英二医師も自身が理事長を務めるクリニックで抗体検査を行った。
対象者は、サイトなどで募った希望者202人。
内訳は、一般市民が147人、医療関係者が55人。
注目の検査は...。
ナビタスクリニック・久住英二医師「12人が陽性でした。5.9%の方が陽性でした。ニューヨークが14%くらいという報告が出てるし、そこまで高くなかった。(希望者202名に調査は、都の状況にあてはめられる?)都民を代表する集団なんてものはないんですよ。われわれにできることは、いろんな集団で検査してみて、だいたい数値が一致したら、それくらいなんじゃない? と推定」
この5.9%という数字。
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5月4日
 上記の調査は東京都でなされていますので、東京都に限って考えてみますと、人口の6%が感染しているとみて83万人、5月2日時点の死亡者数は141人で、専門家によると新型肺炎の死亡者は確実にカウントされているということですから、季節性インフルエンザの場合と同じように推定感染者数で死亡者数を割ると0.017%となり、季節性インフルエンザ(感染率8%)の致死率0.1%の6分の1程度ということになります。これが真実なら大問題となりますが、 まだ標本の数が少ないのではっきりしません。下記の記事もありますので、今後このウイルスの実体が明らかになっていくものと思われます。
FNNプライムニュース
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日本赤十字社は、献血者から同意を得たうえで、採取した血液の一部を抗体検査に活用。東京都内と東北地方で検査を進めている。これを受け、政府は5月にも、初回の結果を公表するものとみられている。
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5月7日
 上記の抗体検査の結果を待たないとはっきりしませんが、現在の状況下で推測するに、致死率は日本の場合、季節性インフルエンザと同程度かそれ以下であるのに対し、アメリカやイタリアはその数倍以上である可能性が高い。この差が、民族のもつ免疫の違いによるものか、ウイルスの変異によるものかが問題になってくるものと思われます。後者の場合、いずれ日本もウイルスの脅威に晒されることになるでしょう。しかし、その場合でも医療崩壊が起きなければ、大騒ぎするほどのことはない。現在、医療崩壊の可能性が叫ばれているのは新型コロナウイルスのための病床数が少ないのが最大の原因ですが、日本でもウイルスや細菌による肺炎で亡くなる人は年間10万人程ですから、実際はその数倍以上の患者数に対応する設備はあります。従って、自粛一辺倒でなくとも適切に対応すれば医療崩壊は防ぐことはできるでしょう。人工呼吸器が先進国の中では極端に少ない状況は特に改善されなくてはならないと考えます。
追記 2020年5月8日
 東京都の病院による抗体検査の陽性率は衝撃の8%。これが都内の感染状況を反映しているとするならば致死率は季節性インフルエンザの7分の1。
 抗体検査は東京千駄ヶ谷にある千駄ケ谷インターナショナルクリニックでも実施されており、5月1日の記事では現時点で111人中9人が陽性だったとのこと。つまり8%の感染率です。単純に計算すると都民の112万人が感染していることになり、これで現時点での累積死亡者数160人を割ると致死率0.01428%、季節性インフルエンザの致死率0.1%(年間感染率8.3%) の7分の1となります。(今後の死亡者数の大幅な増加、および東京都の死亡者数が発表と大きく異なる場合は考慮していません) 慶応大学病院、ナビタスクリニック、千駄ケ谷インターナショナルクリニックの調査結果は少し異なっているように見えますが、慶応大学病院は抗体検査ではなくPCR検査ですから、検査の時点で陽性である人の割合になりますので、5.97%という数値と東京都が発表している退院者数(陰性になった人の数)を基に抗体検査の陽性率に置き換えると8.44%となって千駄ケ谷インターナショナルクリニックの調査結果と大体同じになります。
  日本赤十字社が行っている抗体検査の結果は5月1日に政府が発表することになっていましたが、1週間経ってもまだ発表されません。何故でしょう? 検査は、複数の検査キットの性能評価を目的に実施されますが、各地域の感染状況の分析にも利用される予定でした。日本赤十字社の調査結果も上記3つの病院と同じなら衝撃的なことになります。厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北海道大教授の主張では緊急事態宣言などの対策を何もしなかった場合の死者数は42万人ということでしたが、季節性インフルエンザの場合は緊急事態宣言などの特別な処置がとられませんが、この場合の感染率と同じ程になるとしますと、42万人の死者が出るには、日本の人口が300億人程でなければならないということになり、(300億×0.8×0.00017=408000)これは笑い話になってしまいます。もちろん、医療崩壊が起きたら人工呼吸器が極端に少ない日本の場合は問題がありますが、いずれにしても、実体とかけ離れた思い違いであった可能性が高くなってきました。引き続き調査結果を注視していくことにしましょう。
 5月9日
 神戸市では大規模な抗体検査が行われていました。対象はコロナ以外の患者1000人です。
神戸新聞
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神戸市民4万人に感染歴か 試算の病院長「公表患者260人と隔たり。本当に大きな驚き」
新型コロナウイルス感染症について、神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)の研究チームが2日、外来患者千人の血液検査で、3・3%が抗体を持っていたと明らかにした。4月上旬までに、市民約4万1千人に感染歴があった計算になる。この結果を受け、同院の木原康樹院長が3日、神戸新聞社のインタビューに応じた。
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上記感染率3.3%が市内の感染率であるとすると、この時の神戸市の死者数は5人ですから、これを4万1千で割ると0.000122つまり0.0122%この致死率は季節性インフルエンザの8分の1程度です。
ドイツ西部でも抗体検査が行われました。
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JIJI.COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020050400503&g=int
【ベルリン時事】ドイツのボン大学は4日、新型コロナウイルスの初期の流行地である西部ガンゲルトの住民について、無作為に抗体検査などで感染状況を調べた研究の暫定報告(査読前)を公開した。これまで確認された数の約5倍に当たる、住民の15%の感染が判明。これを基に算定した致死率は0.37%と、全国の公式統計の10分の1以下になったという。
 これまでの検査態勢では、無自覚の感染者が統計で把握されない問題があった。こうしたことが解決されれば、致死率は大幅に下がる可能性が示された形だ。シュパーン保健相は4日、月ごとの抗体検査能力を「5月は300万件、その後数カ月内に500万件」に拡大する方針を表明。実態の把握に期待が集まっている。
 ガンゲルトでは、3月30日から4月6日までの間、無作為に選んだ405世帯の919人について抗体検査やPCR検査などを実施。15%に当たる138人の感染が確認された。ガンゲルト全体でも15%、約1900人が感染していたと推定され、死者は7人のため、致死率は0.37%になるという。
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 ドイツの場合は欧米のインフルエンザの致死率の2倍程のようです。日本の致死率と比べるとアメリカやイタリア同様高いようですが、これが免疫機能の違いによるものか、ウイルスの変異によるものか分かりませんが、後者の場合、いずれ日本にも広がるでしょうから今のうちに調査すべきでしょう。米国在住の日本人の感染率、致死率を調べたらどういう結果になるのだろうか。
2020年5月15日追記  
政府発表の抗体検査陽性率は複数の病院の検査結果の10分の1という不思議


 本日、日本赤十字社による抗体検査の結果が発表されました。結果は検査キットによってバラツキがあるが東京都の陽性率が最大で0.6%であるということでした。これは上に挙げた都内にある病院が行った陽性率の十分の1以下になります。各新聞社は抗体検査の結果は政府が5月1日に公表すると報道していましたが、2週間も遅れてしまいました。この間抗体検査の結果はどうだったのかという野党の質問に対して「お伝えすることは何もありません」という答弁であった。抗体検査の結果が先行した民間の検査結果と10倍以上の開きがあるというのは非常に不自然です。ニューヨークの14%と比べると実に20倍以上の開きがあります。これが真実なら東京のウイルスの感染率はニューヨークの20分の1以下、色々な社会的要因を考えてもウイルスの感染力は10分の1以下と考えてよいでしょう。しかし、日本でもクラスターの発生状況やクルーズ船内の感染状況からみて、感染力はかなり強いものと考えられています。ニューヨークのウイルスの感染力が東京のそれより10倍も20倍も強いというのは非常に奇妙なことです。
2倍程度なら社会的要因も考えられますが差が大きすぎます。強毒性ならウイルスの変異によって異なってきますが、日本のウイルスは飛沫感染でニューヨークは麻疹のように空気感染だったなどということはありえませんから感染力にさほどの差があるとは思えません。ここからは推測ですが、おそらくは陽性率をそのまま発表すると大問題になるとの懸念から2週間の間に調整が行われたのではないかと考えます。前述のとおり、民間の検査結果で計算すると東京都の感染者が100万人以上となり、それでこの死亡者数ならインフルエンザの数分の1程度の致死率となって、この大騒動は何なのかということになってしまいます。抗体検査というものは精度が低いから参考にならないと主張する人もいますが、仮に精度が高くなくても分かることはあります。
 抗体検査は感度を上げれば、偽陽性率つまり陰性なのに陽性と判定される率も高くなります。感度を下げれば偽陽性率は下がりますが、今度は偽陰性率つまり、陽性なのに陰性と判定される率が高くなります。政府主導の今回の検査は数種類の検査キットの性能を評価する目的もあり、種類によってかなりのバラツキがあると言われていましたので、その調整は当然行われたと思いますが、このとき偽陽性率をゼロにするように感度を抑えた場合の推定値が公表された数値ではないかと推測しています。そういうことではないということであれば、同じ検体を慶応大学病院や神戸市の病院で行われたPCR検査や抗体検査キットで検査してみたらどうでしょう。もちろん、そういうことはしないでしょうし、今後、抗体検査で感染率を調べる病院に厚生省から圧力がかかるのではないかという憶測も出てくるでしょう。では真の感染率はどうなんだろうか。これについて考察します。
 
政府発表の感染率0.6%が不自然であることは、東京都(約7%)と神戸市(3,3%)の感染率の差に着目すると次のように考えて導くことができます。
 東京都内の病院や神戸市の病院で行われた抗体検査の結果は前述しましたように政府が発表した結果の10倍以上になっています。東京の方が流行が先行し電車通勤が多いので感染率が高いのは予測されていたことではありますが、東京の感染率のうち偽陽性率はどのくらいであるかを考えてみます。偽陽性というのは、新型肺炎コロナウイルスに反応するのではなく、主に他の風邪のウイルスなどが原因でできた抗体に反応していることからくるわけですが、そのような類のウイルスは長い年月の間に日本中に拡散しているものと思われます。これは物理学のエントロピー増大の法則を持ち出すまでもなく、常識的には当然だと考えてよいでしょう。昨今、レストランで煙草を吸えば、煙は店じゅうに広がって煙の濃度が一様になり、離れた客も白い目を向けることになることを考えても分かります。神戸市の場合、患者が対象とはいえ、一般の患者1000人ですから、今回の政府発表の東京500人の2倍で、統計学的には信頼度は高いと言えますが、仮に3.3%全部が偽陽性であったとしましょう。そうするとこれは、抗体検査で偽陽性として反応するウイルスによってつくられた抗体の濃度とみることができます。東京の濃度も神戸市とほぼ同じでしょうから、東京の陽性率を7%として、この中に偽陽性の原因となる抗体が含まれているとしても、神戸と同じような検査キットであると仮定すると、少なくとも半分以上は真の陽性であると考えられ(計算上は3.826%) これでも政府発表の0.6%とは差が大きすぎます。(政治家が嘘をついていると主張しているわけではありません) 結局、上述した季節性インフルエンザの致死率の6分の1というところがせいぜい3分の1ぐらいに上がるだけで、依然として低いことに変わりはありません。
 ところが非常に不思議なことに、この新型肺炎で亡くなった人の中には有名な志村けんさんや岡江久美子さん、岡本行夫さんがいます。私の言う有名人というのは日本では数十人ぐらいだと思いますが、その中に3人もの死亡者がいるというのは実に不可解な感じがします。特に、最近までテレビに出演しておられた外交評論家の岡本行夫さんは持病などなさそうな健康な感じの方でしたので驚きです。そこで、インフルエンザや肺炎で死亡した人の中に本当は新型肺炎で亡くなっているのに、病院が騒がれるのを恐れて検査をしていない人が多くいて、本当の致死率はもっと高いのかもしれないと思い、国立感染症研究所でインフルエンザ・肺炎死亡報告を見てみました。
 同じ図表で現在と過去のものを比較したいのですが、下記の図は現在のものしか表示されないようです。2011〜2012のものはウェブ検索で探し出すことができました。各保健所の集計の時期が重なったりするとグラフが跳ね上がったりするようですが、今年が特に多いというわけではないようです。

 年間の肺炎による死亡者は約10万人と言われていますが、その中でも高い割合である誤嚥性肺炎は上のデータでは除外されているようです。仮に誤嚥性肺炎による死亡者の中に新型肺炎による死亡者のほとんどが含まれているとしたら、肺炎による死亡者があまりにも多いため、グラフにしても分からないだろうと思います。
 現在考えられることとしては、この新型肺炎の致死率が季節性インフルエンザよりかなり低いか、さもなくば病院が保身のため、新型肺炎の疑いがあっても検査をしないで、単に肺炎で死亡したということにしているということが考えられます。現状ではコロナで死亡した人が出た一般の病院は、外来休診に追い込まれる恐れがありますから、そういうこともありそうな感じはします。新型肺炎コロナウイルスが原因で死亡した人は100%カウントされているとテレビで専門家が言っていたが、それは何を根拠にした発言なのだろうか。

 岡本行夫氏は彼にとって初めての小説「スーパーフィッシュと老ダイバー」というおもしろい小説を書き始めていたようですが、もしかしてこれで睡眠不足になってコロナに・・・などというのは考えすぎでしょうね。
[追悼] 岡本行夫さん「スーパーフィッシュと老ダイバー」2〜5月号一挙無料公開
https://shinshosetsu.com/novels/b9101178de92d332
 ※ログインなしで読めますが、2020年5月22日現在、IE11では適切に表示されませんでした。中途半端に表示されるブラウザが他にもありますが、Microsoft Edge、Google Chrome では適切に表示され、岡本氏が撮影したと思われる水中写真も見ることができます。
 岡本氏は1980年、エジプト赴任で紅海の美しさを知ったことでダイビング熱に拍車がかかり、水中写真にのめりこんでいった。この小説はその時の経験を基にしたものと思われます。
追記6月17日
 
上記「スーパーフィッシュと老ダイバー」について、ネット上には、5月号に掲載された第4章が絶筆となったという新聞記事がありますが、これは誤情報で、この小説は完結しており、2021年1月号まで上記サイトで連載される予定です。
 新型肺炎報道についても誤情報が多いようです。

 新型肺炎コロナウイルスが原因で死亡した人は100%カウントされているとテレビで専門家が言っておりましたが、これも誤情報の可能性が高く、産経新聞には次のタイトルで記事が掲載されています。
「都内死者 3、4月過去最多 「超過死亡」コロナ公表人数の12倍 」

追記しますのでまたご覧ください。




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